一人でなやまないで もうあなただけではありません ・うつ病ってどんな病気なの? ・「うつは心の風邪」というけど本当? ・どうしてうつは再発しやすいの? ・うつ病の人ってどんなことを考えているの? ・うつ病になっても仕事を続けられるの? ・うつ病になりやすい性格ってあるの? 実際に二度の休職を経験した著者が、 赤裸々に語る「うつ」と「仕事」。
経験者ならではの「すぐに職場で使える 実践的テクニック」も満載。
田村浩二 著 2009.02.11発行 ISBN 978-4-89295-637-9 C0095 四六並製・184頁 うつ病でも、とんでもなくつらいときと、少しは気持ちが落ち着いているときがあったりします。
一日の中でもある程度は気分の変化もあります。
したがって、そのとき、そのときの正直な気持ちを吐露しており、ところどころ矛盾した内容になっているかもしれません。
私は、うつ病の再発の原因が皆一様だとは思っていませんが、これだけ多くの方がうつ病を再発させてしまうのには何か共通の原因が必ずあるはずだ、そして、それは自らの体験の中からも少しは導き出せるのではないかとの思いから、今回ペンを執らせていただきました。
私は、本書によって、こうすればうつ病の再発が防げるなどといったおこがましいことを書くつもりはありません。
それよりも、読んでいただいた方々が、ある種の「共感」みたいなものを感じ取っていただければ一番うれしいのです。
うつ病は本当につらい病気です。
死んでしまいたくなる病気でもあります。
そんなうつ病と長年にわたって付き合っている方もいらっしゃるでしょうし、何度も再発を繰り返している方もいらっしゃるでしょう。
そんな方々からしたら、「お前の体験なんかまだ甘い」とお叱りを受けるかもしれませんが、私は、休職と薬によって、あれだけ回復して良くなっていたものが、なぜまたうつ病の地獄に引きずり込まれてしまったのか、自分なりの考えをどうしても表したかったのです。
本当に少しでも、何らかの「共感」めいたものを本書から感じ取っていただければ幸いです。
目 次 —— はじめに 第1章 うつ病と私 職場復帰 うつ病とは一体何なのか 重要なのは脳内物質? うつ病は、「心のかぜ」ではない 第2章 再発〜そして現在 再発〜二度目の休職へ 一度目と二度目の休職の違い 休職期間中の過ごし方 なぜ、こんなにやりたいことが少ないのか 休職期間を延長することに 第3章 うつ病の具体的な症状 小さな小石にもつまずく 死にたい、生きるのがつらい 身体がだるい 考えがまとまらない 何をやっても楽しくない 睡眠障害 食欲がない、あるいは過食 イライラする、怒りっぽくなる 一日で楽な時間とつらい時間がある 第4章 「自殺」を考える 人はなぜ、死にたくなるのか 希望と絶望 「自殺の壁」がなぜ用意されているかを考える 人が痛みを感じる原因 死んだら本当に楽になれるのか どうにでもなれと開き直ってみる 「死ぬ気があれば何でもできる」の嘘 残される者のことも真剣に考えてみよう 時間が経てば気分も変わる 方法は一つではない 他者からの「いい影響」を受けよう 人は、今にしか生きられない 人生で体験することに無駄はない いじめられっ子だって成功者になれる 私は本当に薬に助けられている 第5章 うつ病の要因としての私の性格 まじめで冗談が苦手 頑固で負けず嫌い 神経質 協調性がなく、人付き合いがヘタ 「割り切り」ができない 職場に行くたびに見失う自分 他人と同調するストレス 自分を受け入れることの大切さ 第六章 うつ病を防ぐ四つの方法 一.認知療法 二.薬物療法 三.焦らないこと 四.やりたいことをやる 第七章 うつ病を軽減する職場のテクニック 残業は極力しない 雰囲気をあまり気にしない 机の上には極力ものを置かない 要らないものはバンバン捨て、共有スペースを利用 やらなければいけないことは書き出す 「うつ」にならないアクシデントへの対応法 使える年休は使う 休憩時間が仕事の効率アップの鍵 おわりに 著者について —— 田村浩二(たむら こうじ) 1967年京都市生まれ。
主な著書 「実体験に基づくうつ病対処マニュアル50か条」星和書店 「強迫性障害・聞きたいこと知りたいこと」星和書店 「実体験に基づく強迫性障害克服の鉄則35」文芸社 「強迫性障害は治ります」ハート出版